2014年9月3日水曜日

捨てられる運命にある弁護士?

最近では、日本の大手企業でも終身雇用ではなくなってきている。上に行けば行くほどポストが少なくなって、リストラ対象になったり、外に出たらと遠まわしにささやかれることがある。

外に放り出されなくても、ある程度のポジションに着いた人が50代になると、役員にでもならない限り役職定年が目の前に迫ってくる。役員になれそうもないし、役職定年した年配の社員を見ていると、次の仕事を探したほうがよいのではと思うかもしれない。

そんな時に、以前から知っている米国法律事務所の弁護士に会って、「あなたはアメリカの弁護士資格があるんだから、うちの事務所で働きませんか」などと誘われるかもしれない。若い時にアメリカに留学して取得したニューヨーク州弁護士資格を生かすときが来たかもしれない、これは願ってもないチャンスと、思わず話しにのってしまうかもしれない。

要注意である。

日本の大企業である程度のポジションにいた人にとって、アメリカの弁護士はナイスな暖かい人との印象があるかもしれない。それは、単に、その人が資金力が豊かな日本企業という服を着ていたから受けられた待遇だったのだ。

アメリカの法律事務所がこのような大企業で働いていた人をパートナー弁護士として迎える理由はただ一つ、その人を通じてクライアントが来ると思っているからである。もしそれが期待はずれだったら、あっという間に捨てられてしまう。首を切られてしまう。1年、長くて2年で成果を出さなければだめであろう。アメリカは日本のように首を長くして成果が出るのを待ってくれない。

日本の企業が事務所を変えるという意思決定には時間がかかるのだから、あと1年待って欲しいと頼んでも無駄であろう。
そうやって捨てられてしまった弁護士の話を聞いたことがある。


アメリカの法律事務所からの甘い話しは要注意である。「雇いたいと言ってきた時はあんなに積極的だったのに、捨てる時は一瞬なんて。。。」と後で後悔することになるかもしれない。